いとしと書いて藤の花🎶

こんにちは!踊り大好き、小粋な舞踊家香代乃姐さんです。

今の季節、ロンドンでは藤の花が咲き乱れています


日本では藤というと藤棚、その藤棚もあまり見ることが出来なくなりましたが

ここロンドンの大きな通りを一本入ると

びっくりするほど家々の玄関先に蔓を這わせてその美しい姿をお披露目しています


藤は日本古来の花木と言われていて、万葉集にも多く歌われていますが

イギリスには18世紀になってから渡って来たそうですよ


築百年の建物なんてザラなイギリスでは

建物の主人が変わっても植えられた藤を大切に育てているのでしょう

お陰様で 姐さんはどっぷり楽しませて頂いてます 毎度!


そうそう!黄色い藤もあるんですよ!

これは「きばな藤」と言って、日本での栽培はとても難しいそうなんです


そんな珍しい藤がご近所で見れるなんて

あーロンドンに来てよかった〜 


前置き長いですが…    さあ皆さん、もうお分かりですよね〜 

姐さんが今日お話したいのは…    そうです「長唄 藤娘」👘


歌舞伎や日本舞踊を観たことがない人も、「藤娘」は聞いたことあるんじゃないですかい? 

というくらい人気のある演目です💪🏻


藤娘は、昭和12年(1937年)に六代目尾上菊五郎が、それまでの作品に「藤音頭」という曲を間に入れて、藤の精がお酒に酔って思い通りにならない男心を切なく舞う構成にしたそうなんです

この酔ってる踊りがまたメチャいいんですわ〜😍😍😍


元々は近江国(現在の滋賀県)大津の「大津絵」に描かれていた藤の枝を担いだ娘『かつぎ娘』から出来た歌舞伎の演目です 

ウェキによると文政九年(1826年)に江戸中村座で二代目關三十郎が踊ったのが最初と記されていますが、こちらの演出は犬と一緒に座頭姿で踊ったりするもので

現在の藤の精の可愛らしい踊りとは随分異なっていたようですね😂😂😂


そしてここで…

ジャジャーン‼️ 

こちらの美しい藤娘はなんと私の師匠である若柳智香氏です✨✨✨

今回特別に師匠の了承を得てこちらの写真を掲載させていただきました

ほんに可愛らしいでしょう😍😍😍   

「藤娘」の舞台を想像してみてくださいな

幕開きでは大きな松の木の下に塗笠に藤の枝を肩に背負った写真のような美しい娘が立っています

松の木は娘が思う男性、娘は藤の精🧚‍♀️🧚‍♀️🧚‍♀️


「若紫に〜 十返りの〜」と有名な歌い出しで始まるんですが

どんな内容かご存知ですか?

全部は紹介できませんが、唄の初めの方をちょっとだけ覗いてみましょう

括弧の中に簡単な説明を入れてみました


長唄 藤娘(抜粋) 

若紫に 十返りの 花をあらわす 松の藤浪 

(「若紫」=藤 「十返りの花」=松の異名。松の花は百年に一度、千年に十度咲くというところから) 

人目せき笠 塗笠しゃんと 振かかげたる 一枝は 

(娘が笠をかぶり、藤の枝を肩に担いでいる様子)

紫深き 水道の水に 染めて うれしき由縁の色に 

(紫は江戸を代表する色。「水道の水」=江戸の水) 

愛しと書いて藤の花 エエ しょんがいな 

(「いとしと書いて」これはわかりますか?姐さんもびっくり!「い」を10回縦に書いて、「い」の字の間に「し」を書くと…) 

裾もほらほら しどけなく 鏡山 

(「鏡山」=大津市の近くにある山)

人のしがより この身のしがを かへりみるめの

(「しが」=欠点 「かへりみる」=反省と海藻の海松布が掛けてある。他人の欠点より自分の欠点を鏡に映して反省するという意味) 

汐なき海に 娘すがたの はづかしや 

(「汐なき海」=琵琶湖 まだまだ成熟しない娘のもどかしさ) 


ほほ〜う🤔🤔🤔

紫って江戸の色だったのね〜 

「水道の水で産湯を使い」ってのが江戸っ子の自慢だったらしいけど

なんでか皆さんわかりますかい? 江戸の給水システムは当時のロンドンを凌いでたってさ😱


江戸の給水システムについてはこちらのサイトをご覧になってね👇

https://www.gakken.co.jp/kagakusouken/spread/oedo/01/kaisetsu1.html

 

そして、実は姐さんも今回のブログを書くまで知らなかったのが...

 「い」を10回縦に書いて、 「い」の字の間に「し」を書くと

なんと!!

ビーックリ😳

 藤の花💕 (に見えますかい⁇)


はい、姐さん筆ペンで書いてみました😅😅😅



このように掛詞を使ったり、お茶目な謎解きみたいな歌詞があったり 

邦楽って、ほんまに洒落てるな〜


いつかロンドンで藤の季節に「藤娘」を踊るぜ💪🏻💪🏻💪🏻

そう心に決めた姐さんでした😎


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Kayonono Kai

香代乃の会はロンドンでまだ生まれたばっかりの日本舞踊のお教室です。このブログを通して、少しでも多くの人に日舞の素晴らしさを知ってもらえたら嬉しいな。

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